倉庫の保管物による分類―危険物倉庫、水面倉庫、農業倉庫、野積倉庫

倉庫の中でも危険品倉庫というものがあります。これは文字通り、危険物品を保管するための倉庫です。花火メーカーの製品倉庫などを思い浮かべるとイメージしやすいかもしれません。危険品倉庫で保管する危険物は、種類によって消防法、火薬取締法、毒物および劇物取締法、高圧ガス取締法などの法律にもとづいています。そのため、それぞれ保管上の規制が細かく規定されているのが特徴です。また、火災保険の関係から損害保険料率算定会では、危険貨物をA級、B級、特別危険品に分けていて、この点からも危険倉庫の建物の堅牢さや、設備などが決められています。倉庫業の中でも絶対になくなることのない倉庫の種類といっていいでしょう。

倉庫の中でも水面倉庫というものをご存知でしょうか。これは原木などを貯蔵しておくために、港湾、河川を利用して水面の局囲に堤防や、その他の工作物で囲いをつくっておいた倉庫のことを指します。よく港湾地域で大量も木材が浮かんでいるのを見ることがあるでしょう。水面貯蔵は、陸上での保管のように木材を積み上げておくことができず、保管能力は小さいですが、古くから行なわれている方法で、水面木材倉庫業として約580万平方メートルを確保で切れば、水面倉庫として使用することができます。

倉庫の中でも、農業倉庫は農業倉庫法に基づいて、農協が許可を受けて組合員の農産物を保管する目的で建てられた倉庫です。その由来は. 大正の初期に米価の値下がりが社会問題となった際、米の需給調整を行って米価の安定をはかり,農民を救済するために政府の補助によって建設されたのが始まりです。政府食糧の保管をはじめ,農村地帯で使用される電気製品など一般物資の保管を行っています。

倉庫でも野積倉庫は,風雨による影響をほとんど受けない原材料などの貨物を野積みして保管する倉庫です。野積倉庫の条件は、工作物または土地の周囲が塀、冊、鉄条網などで防護されていて、防火,照明などの設備が必要になります。鉄鋼倉庫(建物が吹抜け上屋式のもの)なども業法上は,野積倉庫の範囲です。鋼材、木材、石炭、鉱石、ドラム缶などが一般的に保管されることが多いようです。

倉庫を保管物によって分けると、さらに細かくなりますが、この分類方法によると、主な種類は以上のようなものが挙げられます。