倉庫の立地による分類

倉庫を立地条件によって分類する方法があります。港湾倉庫は船舶輸送される貨物を保管するために、船が発着する岸壁の近くに建てられた倉庫のことです。輸出入貨物が取り扱われる主要港湾地帯では、貿易振興や、国または地方公共団体が建設した保税倉庫もあります。また、岸壁のすぐ近くにあるため港頭倉庫、埠頭倉庫とも呼ばれています。一方、内陸倉庫は、港湾倉庫に対して内陸部に建てられている倉庫を総称していいます。内陸部のそれぞれの場所によってたくさんの種類がありますが、駅頭倉庫、ターミナル倉庫、都市倉庫などが代表的なものといってもいいでしょう。

倉庫を駅中心で見かけることはいまだに多いはずです。駅のそばにある倉庫を駅頭倉庫と呼びます。以前の物流システムは、鉄道輸送のウェイトが大きかったため、貨物駅の近くに鉄道送による発着貨物を保管するために駅頭倉庫が建てられていることがほとんどでした。最近は輸送手段がほかにも増えてきたため、減少の傾向にありますが、鉄道輸送がなくならない限り、これからも活躍していくことであろう倉庫のひとつです。

倉庫は物流のシステムとともに、その形態、場所を移してきましたが、自動車輸送の増加と、流通近代化を図る観点から、トラックターミナルや倉庫などをひとつの場所にまとめた流通業務団地が各地に建設されつつあります。このようなところに建てられた倉庫をターミナル倉庫と呼んでいます。なお、ターミナルという言葉を広義に解釈すれば、輸送の発着拠点ということになるため、港湾倉庫や、駅頭倉庫もある意味、ターミナル倉庫ということになるのかもしれません。ただ、一般にターミナル倉庫というと、いわゆる大規模な総合物流施設のことを指します。

倉庫が存在する意味は製品を保管、管理することですが、当然、それらはいずれ都心部へ供給されることになります。ここで存在するのが、都市倉庫です。消費物資等の流動量が多い都市に建てられた倉庫は、配給拠点として考えた場合、当然、都市部かその近郊にあるのがベストです。そのため、都市倉庫は流通倉庫などを立地の面からみたとき、非常に重要なものといっていいでしょう。

倉庫を抱えている工場というのは、企業の大きさ、規模の大小を問わず、結構あるものです。こういったものを工場倉庫といいます。保管する物品によって原料倉庫、製品倉庫に区分されることがほとんどです。