倉庫を構造的に分類する方法があります。文字通りこの分類方法は建物をそのものの形状を表すといってもよいでしょう。平屋倉庫は、倉庫建物が平屋建てのもので、構造が簡単で建築費が安くすむところから、一般に広く採用されています。古い平屋倉庫では土蔵、石・レンガづくりが、いまもなお残っていますが、最近建てられている倉庫では鉄骨造り、多階建はコソクリート造りとなっていることが多いようです。
倉庫の中でも圧倒的に増えてきているのが、多階建倉庫なのではないでしょうか。これは2階建て以上の建物になっている倉庫のことです。多階建てということは、貨物を上下に移動する作業が増える欠点はありますが、鉄筋鉄骨コンクリート造りの近代的なものがほとんどで、そういった難点を克服する設備を兼ね備えているものがほとんどです。土地が限られている港湾、都心などは倉庫面積(庫復)を広くするために多階建倉庫が当たり前になっています。
倉庫の中でも最も近代的といえるのが、高層ラック倉庫です。別名、自動化倉庫とも呼ばれます。保管活動における物流近代化の技術の最先端をいく倉庫で、パレット貨物を10段以上も保管できるラック(棚)をそなえており、自動入出庫が可能になります。建物自体は平屋構造ですが、高層ラックとするため背の高い建物となっていることが多いようです。入出庫作業は省力化のため、コンピュータ制御によりスタッカ・クレーンと呼ばれる荷役機械を自動運転され、無人倉庫であることもあります。
倉庫の中でもサイロは、輸入小麦などの穀類、飼料、セメントなどのような粒状、粉状の品物をばらのまま大量に貯蔵する塔状の構築物を指します。コンクリートづくりのものがほとんどでしたが、最近は鋼板製のものが主流にとってかわろうとしています。品物の出し入れは、ばらのまま能率良く行えるように、コンベアや空気圧送など、それぞれの品物に合った特殊な荷役装置が設備されているようです。
倉庫でも水面倉庫は、原木などを水面保管する施設で、通常,水面貯木場と呼ばれているものです。水面であって,その周辺が築堤などの工作物をもって防護されています。また、照明装置などを備えていることが条件です。原木の大量保管には、かなり大きなスペースが必要で、いかだ輸送による搬出入に便利であることから、今も全国各地の港湾などで見られます。