倉庫は寄託者の依頼に応じて、穀物やその他食品などの生活物資をはじめ、消費者に必要な製品や生産のために使用される原材料、生産財を保管し、これらの物資の需要と供給を調整する施設として、経済生活に欠くことのできない重要な役割を果たしています。このように倉庫は保管活動を中心として、さまざまな機能を果たしており、経済社会の発展に大きく寄与しているといえます。
倉庫の機能としてまず挙げられるのが、貯蔵機能です。倉庫は物品の流れにおける、時間的な差を調整する貯蔵機能を持っています。一度に大量に輸入される原材料や、季節的に生産される農畜水産物、あるいは暖房器具や冷房器機など季節的な商品を、輸入時または生産時から需要時まで、倉庫に保管することによって、その間の時間的ズレの調整が行われることになります。倉庫では、一時に大量生産された製品や、輸入された莫大な分量の製品が、倉庫に一時的に貯蔵され、必要な需要に応じ適時、消費者や生産者に供給されることになるのです。倉庫はそれらの物品の生産から消費にいたるまでの、時間的調整の機能を果たしているのです。
倉庫は価格調整機能を持っています。つまり、倉庫は物流業界の流れにおいて、価格を調整することができるのです。大量の季節生産品などを、例えば、いっぺんに市場に出荷しないように、倉庫に保管することによって、それらの生産物質の価格が暴落するなど、端境期に極端に製品の値段が高騰することを防げるのです。
倉庫はこのように、価格変動の波動を少なくし、生産地における一時的な投げ売りや、消費地における暴利などを未然に防ぐ役割を果たしています。そして、この機能によって、生産者の経営の堅実性を高め、また一般消費者の経済生活安定に大きく寄与しているわけです。
倉庫には物品の流れにおいて、各輸送機関に対する連絡調整の場としての結節点機能を持っています。例えば、大量の貨物が船舶によって輸送されてきた場合、それを一度に陸上の輸送機関に積み換えて輸送することは困難です。しかし、このような場合、倉庫は物流の結節点として、大量に輸送されてきた物品を一時保管し、異なる輸送機関による連絡輸送を円滑に行うための役割を果たすことができるのです。