倉庫は物流活動の根幹をなす重要なものです。経済生活において、物資の生産と消費の調和の維持がその基本となっています。生産と消費の維持を行うには、両者の問で物資の複雑な流れを結ぶものとして、さまざまな流通活動が行われています。この流通活動を機能の面から分類すると、商的流通活動と物的流通活動とからなっているといえます。このうち、物的流通活動の保管機能を主に分担しているのが倉庫です。そして、経済社会の発展とともに、生産と消費を結ぶ流通活動を増大させるために、物資の貯蔵と、物資流通のための管理の諸役務を、倉庫を利用して有償で給付する産業部門として、倉庫業は成り立っているのです。
倉庫業を一般的に定義すれば、倉庫を利用して他人の物品を倉庫内に保管する営業といえます。この場合、その営業の内容は、倉庫内に依頼者の物品を安全に必要期問保全する貯蔵業務と、そのために物品を倉庫に.出し入れする作業役務、さらに保管物品の流通過程の円滑化をはかるための取扱業務など、需要者に提供して、その代償を得るという商行為にほかなりません。これについては、倉庫役務とか、倉庫用役と呼ばれています。-
倉庫業は日本においては、商法およびその特別法である倉庫業法に規定されているので、その法律上の定義および用件を備えていることが必要です。まず商法についてみると、その第597条に倉庫業者とは他人のために物品を倉庫に保管する業をすると規定されています。すなわち、倉庫業とは他人の所有する物品を寄託によって、倉庫に保管する営業ということになり、当然のことながら、自己所有の物品を自家倉庫に保管することは倉庫業とはいえないことになります。
倉庫業法についてさらにみてみると、倉庫業とは寄託を受けた物品の倉庫における保管と定義されていて、また倉庫業を営もうとする者は、運輸大臣の許可を受けなければならないことも定められています。つまり、運輸大臣の許可を受けた者でなければ、営業できないものということになります。そして、具体的に倉庫業を営む場合は、倉庫業法および同施行規則に詳細規定されている必要条件を充足しなければならないことになっています。
倉庫業は無形材としての業務を生産し、販売する営業であることから、産業上の分類ではサービス業などと同じ第3次産業に属することになります。